Culture 文化芸術全般

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ZONES OF LOVE -CONTEMPORARY ART FROM JAPAN
編集:東高現代美術館+SCAI テキスト:Judy Annear ジュディ・アニア、建畠晢、四方田犬彦
発行:東高現代美術館 Touko Museum of Contemporary Art 発行年:1991年
サイズ: 29.7 x 21 x 0.6cm 頁: P.63
状態: A 良い 表紙にシミやうっすらとヤケあり、P.64の最終ページにもシミあり、他は概ね良好
¥3,200 (税込)

1991-1992年の2年間に渡りオーストラリアとニュージーランドを巡回した日本の現代美術展「ZONES OF LOVE -CONTEMPORARY ART FROM JAPAN」のプレビュー展の図録。 東高現代美術館で開催された。出品作家は、荒敦子、遠藤利克、笠原恵実子、コンプレッソ・プラスティコ、菅野由美子、ダム・タイプ、中原浩大、平林薫、宮島達男、三輪美津子、森村泰昌。 テキストが刺激的。
シドニー現代美術館のゲスト・キュレーター、ジュディ・アニアのテキストの冒頭はこうだ。

「思考対象としての日本は、さまざまなレベルにおいて限りない面白みに満ちており、あからさまに相矛盾する膨大な刺激をふりまいてアウトサイダーを魅惑してやまない。 西欧人の目にはまさにディズニーランドそのもののように映る東京に、なぜもうひとつ東京版ディズニーランドが必要なのか?
...ミニマリスト的な美意識の本家であり、禅寺の庭園、能、盆栽、生け花、茶道、そして最近では「もの派」を生んだ日本が、量的にもそれに拮抗する割合で、 キッチュとまでは言わないまでもバロックの権化のような過剰な装飾性を発揮しうるのはどうしたことか?これは現代に限られることではなく、昔からそうだったのである。...」

四方田犬彦のテキストはこう始まる。

「すべてが恐ろしい速度をもって動いている。情報も、事物も、アートも。行く先がどこなのか、誰もがかつては知っているつもりだったが、今では誰も答えなくなってしまった。...」
1960年代の土方巽、80年代の村上春樹、「めぞん一刻」「ちびまる子ちゃん」、努力・友情・勝利をモットーとして610万部数を刊行した「少年ジャンプ」などを取り上げて、読む人をその時代にタイムスリップさせて疾走するかのような文章。

巻末に作家略歴と作品リスト。テキスト含めて日英語表記。