Culture 文化芸術全般

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土方巽 病める舞姫
著者: 土方巽 発行:白水社 発行年:1983年
サイズ: (函)23 x 15.8 x 2.4cm (本)22.2 x 15.5 x 1.6cm 頁:P.232
状態: A 良い 破れた元パラ付き 本の表紙が厚紙でできているため角に少し凹みや、表紙と裏表紙の前後数ページに表紙カバーの厚みで圧迫された凹みあり。函にヤケとシミあり。
価格:¥3,200 (税込)

土方巽の代表的著書である「病める舞姫」。あとがきは澁澤龍彦。「暗黒舞踏」の創始者と言われるが、澁澤によると土方巽自身は、 澁澤との会話では「舞踊」という表現を使っていた記憶があると書いている。

第一章の第二段落はこうだ。「私は魚の目玉に指を通したり、ゴムの鳩を抱いた少女に言い寄ったりして、それからそれと生きてきたが、 いつも実のところ脈をとられているような気分で発育してきた。私は雪にしょっちゅう食べられかかっていたし、秋になれば、ばったにも噛まれた。」
詩のような、自伝書のような、エッセイのような、踊りを言語化したような文章。

例えば、13章の始まり。「猫がおいしそうに食べているのを見て、芯からの敗北感を味わうような少し崩れかけた神経や、脱衣籠のなかで着物を脱いだ白く小さく縮まった肉体や、 ホロホロとなく七面鳥に試され脅されたような好奇心が、寝床の中で壊れて寝顔の中にうっすらと浮かんでいる。」

最初から最後までこの調子で土方ワールドにどっぷり浸り、澁澤龍彦のあとがき「土方巽について」を読んでようやく現実に立ち戻る。