Ceramic 陶磁

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書籍: 世界美術全集 別巻 第十六巻 陶磁篇
編集兼発行者 下中彌三郎 発行:平凡社 発行日:1931年
頁:図版P.146 総論及解説P.84 状態:A 良い 経年変化、カバーの背表紙に2箇所破れあり
サイズ: (函)27.7 x 20 x 1.7cm / (本体)26 x 19.3 x 1.5cm
価格:¥3,200 (税込)



昭和6年に平凡社から発行された全集の別巻16の陶磁篇。編集権発行者が平凡社創業者の「下中彌三郎」。

2部構成になっていて前半に図版が146ページ(10ページのみカラー)あり、後半に総論及び解説が84ページ。時代概説として陶磁器概説を倉橋藤次郎が書いている。 少し抜粋したい。

「…日本人ほど陶器好きな民族はない。支那、朝鮮、その他諸国のいい陶器が千年に亘って、かように保存、愛用される国はない。唐宋元、高麗、 それぞれ支那、朝鮮では古墳出土品に求めるほかない間に、日本人は日常、之を用いつつ数百年伝わって来た。」

「最後に陶器について著者より世間の人への注意
普通の陶器店から、手頃な使い易い、形、色、模様の素直なものを選び買う事。
花瓶、壺、菓子鉢より茶碗、皿、丼鉢を贈答する事。
下らん専門知識を吸収に及ばぬ事。
何焼き、何焼きを一通り蒐めるなど余計な色気を出さぬ事、要するに陶器道楽などなるべくやらぬ事なり。」

ちなみに、本書で紹介している陶磁器は世界各地の名器で、この倉橋藤次(治)郎という人は、実業家であり、民藝や工芸を支え陶磁器に関する書籍も出すなど、むしろ陶磁器の魅力を世に広く紹介している人であったことを記しておきたい。

小冊子、美術月報第五號付き。「愛陶漫談」「鎌倉星ヶ丘窯を訪ふ」(*鎌倉星ヶ丘窯とは北大路魯山人の窯のこと)、窯技の理想的標準についてなど。