Art history 美術史、Art theory 芸術理論 美術理論

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書籍: 人類の美術 南太平洋美術
著者:ジャン・ギアール Jean Guiart 翻訳: 岩崎力
全巻監修: アンドレ・マルロー André Malraux、ジョルジュ・サール
日本版監修: 矢代幸雄、滝口修造、小林秀雄、吉川逸治
発行:新潮社 発行年:1967
サイズ:29.3 x 23.3 x 5.4cm 頁:P.457
状態:A 良い 函付き 本体は赤い布張り紙カバー、函には経年変化の汚れやシミ少々、紙カバー目立たないがキレあり、本体は概ね良好

フランスの人類学者であり民俗学者でもあったジャン・ギアールが著者だが、監修に関わっている錚々たる顔ぶれには驚く。 しかし、序文を読むと人選に納得する。また本書で著者が試みたことを下に抜粋したい。

… オセアニア芸術が最初の流行をみたのは、自分たちの幻想がそこに具現化されていると思いこんだシュルレアリストたちによってであった。 それ以来、これらの作品は、純然たる宗教美術、あるいは、純然たる呪術的芸術の作品であると説明されてきた。しかしこれは、個人的・集団的な 動機の複雑さを無視したものであった。それらの作品を種にして、面白そうには見えるが現実からは遊離した民俗学の諸説が作りあげられた。 それらの作品に自分自身の投影しか見ようとしなかった人たちは、作品の魂を忘れて形骸だけを扱ったわけだが、彼らはそもそもこうした作品とは無縁だったのである。

私がこの本で言おうとするところは何か?
今日ひろくみられる、知性化され単純化されたあの原始主義という概念に対する抗議とでも言えようか?
しかしなによりもまず、筆者は多様な現実の種々相を紹介し、いくつかの作品の価値を探究し、考えうるさまざまな前後関係を確かめ、ともすれば陥りやすい一般的概念の枠からのがれでることを、いささか不十分ではあるが試みた。…

モノクロが主になるが図版多数。1960年代の知識人たちのオセアニア芸術に対する見解もじっくり読みたい。