真美術書店では、コエランス出版(1993ー2010)の本に力を入れてご紹介しています。コエランスは17年の活動期間に、手にとって味わい深い身近に置いておきたい美術書を10数冊出版しています。陶芸家の本、日本の自然とそこで生み出される造形物の美を撮った写真集、敷居の高い祇園のお茶屋さんの本、小説家の蒐集物など、文化芸術に興味のある方なら面白く読める書籍ばかりです。美しい写真も多数収録されており、自宅の本棚に並べて置いておきたい一冊です。
「鋳込み入門 基礎編 ―やきものネット技法シリーズ―」は好評につき、2024年に真美術書店にて増刷しました。コエランス で出版した初版(2005年)と同じ内容です。
書籍 : 鋳込み入門 基礎編 ―やきものネット技法シリーズ―
著者 : 長江重和
発行 : 真美術書店 発行日 : 2024年3月31日
サイズ : 21 x 14.8 x 0.6cm 頁 : P.112
オールカラー 状態 : 新本
価格 : ¥2,200 (税込)/ 新本のため送料実費(お支払い時、商品代金と合算されますのでご確認ください。)
陶磁器のことを「やきもの」とよんだり「せともの」といったりする。その「せともの」の語源ともなっている瀬戸で生まれ育ち、現在も仕事をしている長江重和氏。
『ねこなし皿』と呼ばれる皿を作る家に生まれ育ち、それを作る「型と鋳込み」が大嫌いだった、と著者は振り返る。瀬戸では、寝る暇もないくらい仕事をしてやっと採算が合う皿のことを「ねこなし皿」と呼ぶそうだ。
しかし、長江少年は瀬戸の窯業高校に進む。家の仕事と対極にあると考えていた「陶芸」を目指すと決め、修了後、昼は家の仕事を手伝い、夜は自分の信じる道・自分の表現を模索する。つまり、鋳込みという「型」を使った量産できる技法の特性を応用して「作品」に取り組んできたのだ。
やがて「作品」は完成し、「型と鋳込み」の仕事への気持ちが変化する。1997年日本陶芸展 大賞・桂宮賜杯受賞。翌年にはスイス・ニヨン国際磁器トリエンナーレでグランプリを受賞。
本書は「技術は皆のもの」と、自ら極めた鋳込み技術を公開したもの。優れた職人やアーティストが「感で作る」技術を言葉にした、多くの陶芸家のバイブルともなっている技法書。
全行程フルカラー写真で分かりやすさを実現。
陶芸を学ぶ人や教える人の質問に答えるQ&Aも巻末に収録されている。