使うほどに美しい「根来」の大きな椀
漆芸作家・大藏達雄さんによる「根来(ねごろ)」の大ぶりな椀です。「粥椀(かゆわん)」といわれるサイズですが、どんな料理を盛ってもよい大らかさが魅力。軽くて丈夫で扱いやすく、日々の食卓に活躍します。
持ちやすく、熱くなりにくい
陶器のように器が熱くならないため、熱々の粥やお茶漬けをパッと手に取って食べられます。器自体の重さは、約140gと非常に軽いので、麺などを汁たっぷりに盛っても軽々と持つことができます。
丼、取り鉢、汁椀にもなる絶妙なサイズ
丼としてはもちろん、おでんやすき焼き、水炊き、湯どうふなど鍋の取り鉢として使ったり、そばやそうめんのつけ汁の器としても。また、肉じゃがやポトフなど、汁けの多い煮ものや具だくさんの汁ものにもおすすめです。
使って拭くことで増す美しさ
洗ったら、ふきんで水けを拭きとることをおすすめします。使うたびに拭くことで、美しい艶が出てきます。2つ椀が並んだ下の2枚の写真は、左が新しいもので右は15年ほど愛用してきたもの。右の椀は全体的に色が澄んで艶やかになってきました。これからも変化を楽しみながら長く使っていけそうです。縁は口当たりがやさしく、手触りもよい、ほどよい厚み。ついこの根来粥椀を手にとってしまう理由は、こんなところにあるのかもしれません。使うほどに味わい深く、親しみが増していく器です。
根来粥椀
価格 : 1客 28,600円 (税込)
*送料別途 こちらを参照ください。
●サイズ・重さ(約):
口径13.3×高さ9㎝・140g
*一つ一つ手仕事で作られています。サイズや形状に若干の個体差があり、色や刷毛目の風合いも異なります。気になる方は事前にお問い合わせくださいませ。
●材質:広葉樹、漆、麻布
*電子レンジ、食器洗い乾燥機は使用不可
大藏さんの根来粥椀は懐が深い。見込みが広くて盛りつけやすく、たっぷりとした椀の曲線が料理を引き立ててくれます。
木地作りでは堅牢性を意識し、塗りでは漆の仕立て方や発色などに工夫を積み重ねて仕上げられたお椀です。日常使いできる耐久性を備えつつも艶やかに美しく、まるで自然物のような存在感を放ちます。
私がこのお椀と出会ったのは、15年ほど前の大藏さんの個展でした。当時私はギャラリー担当者で、展覧会の最終日にひとつ購入したのでした。
その頃は一人暮らしで外食も多く、自宅で食べる時はいい加減なものでしたが、このお椀の佇まいにつられて、思わず背筋を伸ばして「いただきます」と声に出したのを覚えています。
以来、共に人生を歩み、家族が増えればこの根来粥椀も増えているという次第です。
つい最近、姉が我が家の近所に用があり、家に立ち寄って軽食をとることに。食材の調達も間に合わず冷蔵庫にあった納豆で即席丼を出したところ、お世辞を言わない姉に思いのほか喜ばれた。
なぜか?そうです。この根来粥椀のおかげなのです。ごく普通の納豆ごはんを、”なにやら美味しそうな納豆丼”にしてくれたのです。
これだからこのお椀は手放せません。(店主)
大藏達雄 OKURA Tatsuo
長野県出身。代々続く木地師の家に生まれる。根来塗を得意とした二代村瀬治兵衛に師事。歴史的に分業制が確立している漆器業界にあって木地作りから漆塗りまで一貫して制作。伊豆の工房 「綱轤」を構え、全国各地で個展開催。
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